セイヨウオオマルハナバチ(「セイヨウ」)の問題点

セイヨウは1992年に導入が開始され、ハウス栽培の受粉を助ける昆虫として利用されています。1996年に初めて野外で自然巣が発見された後、急激に野外での目撃数が増えており、環境省は2006年にセイヨウを「特定外来生物」に指定しました。
しかしながら、法施行前に逃げ出して野生化した個体も多く、2016年度末時点で道内130市町村において生息が確認されています。セイヨウの野生化・定着化が拡大することで引き起こされる生態系への悪影響としては、以下等が懸念されています。

  1. 営巣場所や花資源を巡る在来のマルハナバチとの競合
  2. 外来の寄生生物の拡大
  3. 在来のマルハナバチとの交雑
  4. 植物の繁殖への悪影響※

※セイヨウはマルハナバチの中では比較的舌が短いため、花の外側に穴をあけて蜜を盗む「盗蜜」をしばしば行います。

皆さんのセイヨウ捕獲・報告のご協力は、分布の実態を把握し、効果的な対策を考え、問題を解決するために非常に重要です。どうぞご協力をお願いいたします。

セイヨウオオマルハナバチの見分け方・捕まえ方

「真っ白なお尻」が最大の特徴! 毛むくじゃらのおとなしいハチです

北海道には、11種類の在来マルハナバチが生息していますが、基本的には、お尻の白色、黄色と黒のしま模様のあざやかさでほぼ問題なく識別できます。野外でセイヨウを目にするのは、多くの場合、彼らが花粉や蜜を集めるために花を訪れているところです。ハチの動きがゆっくりになるので、最もつかまえやすい瞬間でもあります。

捕虫網などを利用して、以下のようなつかまえ方が安全かつ効率的です。

①しっかり網をかぶせる(高いところでは網をねじる)
②網を上に引き上げる(ハチが上に上がってきます)
③フィルムケースやペットボトルなどを下からさしこんでふたをする。

注意:セイヨウに刺されないために

マルハナバチの仲間は攻撃性が低く、スズメバチのように、向こうからむかってきて刺すようなことは基本的にありません。しかしながら、万が一刺されてしまった場合は以下のとおり対応してください。
・あわてずに、すぐに口やポイズンリムーバーで毒を吸い出してください。
・患部をしぼるようにしながら流水で毒をながし、ばんそうこうなどで患部を保護してください。

顔面蒼白、全身の震え、嘔吐などの症状(アナフィキラシーショック)が出た場合は、大至急、病院で治療を受けてください!

セイヨウオオマルハナバチバスターズ とは

北海道では、2006年からセイヨウオオマルハナバチに対する対策を進め、2007年5月に 外来生物法に基づく「防除実施計画」を作成し、防除活動に取り組んでいます。この活動に参加いただけるボランティアを「セイヨウオオマルハナバチバスターズ」として募集しています。
セイヨウ防除活動の実施に際して、ぜひセイヨウオオマルハナバチバスターズにもご登録ください。(詳細はこちら